漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

無数の仮面

 

いい人の定義

誰に対しても平等に接すること

 


そんなの糞食らえ

誰に対してもおんなじように接するなんてできるわけないじゃない

だってあんな私もこんな私もいるのに

この私を引き出せるのはあの人しかいないのに

あの私を引き出すのはこの人なのに

むしろ知らない私を引き出すのはまた別の誰かかもしれないのに

それでも同じでいなきゃいけないの?

詰まらないわ

私の存在証明は私を取り巻く人たち

そうであるなら私を変えるのはあなたたち次第

あなたの思ういい私を引き出してご覧なさい

不都合な私ならそれはあなた自身のせい

そうでしょう?

もし誰にでも同じような態度を取れる人がいたならば

きっとその人は世界に不信を抱いている

作用によって導き出される自身を現せないのは

搾取されることに恐怖しているから

だから演技をする

もちろん私もいくらか演技をする

嫌な私を引き出されたって現したくないもの

そんなもの捻じ伏せるわ

それはあなたのためでなく私のため

どれだけ感化されようと私の軸は変わらない

その上で新しい己を導き出すのみ

 

いい人?

知ったこっちゃあないわ