漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

2022-01-01から1年間の記事一覧

さようなら

私はやめる 結果的に見捨てることになるのはわかってる きっとこの罪悪感は消えない でもね その罪悪感を背負ってもいいと思えるほど もう今の生活には耐えられない あの子がいなくなってから 孤独に今まで生きている なんの向上心もなくただ生きている これ…

みんな私のこと好きすぎる

みんな私のこと好きすぎるでしょ こっちへ来てくれ あっちへ来てくれ そんなに言われたって無理よ 私はひとりしかいないの すべてできるわけないじゃない 私はやりたいことをやりたいだけなのに お願い放っておいて そんな顔しないで それは私にとって脅迫と…

要求

こんな日が来るなんて あなたの声を鬱陶しく思ってしまった 有り得ないことだと思っていた 今まで仕事や生活に擦り切れたときは もちろんあの子の要求から逃避したときも あなただけが救いだった あなたの声を聞けば元気が出た あなたさえいればよかった そ…

解ける

言葉は恐ろしい 口に出した途端 それが事実になる 過去になる 言わなければわからない 過去にはならずに更新されていく 私しか知らない今のこと 神様しか知らないこと だから言わない 変わりつづけることは嘘じゃない 本当にしないで内に宿している この思い…

懺悔

ごめんなさい 私は奪ってしまった あなたとあの子と一緒に暮らす未来を 私自身のために その未来を蔑ろにした ただその時を生き抜くためだけに 無意味な時間を過ごすためだけに 本当にごめんなさい あなたはそれを責めないでしょう あなたは優しいもの でも…

終わらない

あちこち行って楽しんで 着々としあわせな未来へ進んでいる 笑って過ごして あなたに使う時間を割くことなく 気楽に休んで楽しんでいる それがとても悲しい もう慣れたような気がしていたけど そういう訳でもないみたい 空しいね こんな時間を得るためにあな…

情報

私はひとより得られる情報が多いようだ ひとつのことからたくさん あれもこれも ひとつも溢したくはない よくわかる でももっと欲してしまうと駄目になる あれもこれも 情報が多すぎる 多すぎると脳が処理しきれない どんどん溢れてしまう 嗚呼 待っていかな…

最高峰

ビルケナウ 複製画の前に惑わされ 黒い鏡の前に立ちすくみ 本物の前に喉が詰まる そして塗り潰された写真の前に涙する どうして? どうしてこんな絵が描けるの 暖かな雪解けが壊される 叫び声が聴こえる 血が流れる そうして混沌の中へと誘われる 怒りでもな…

私は人を殺そうとしていた 名前もわからない人を 己れの人生を害する者だと信じ 存在ごと消さねば我が道をいけないと そう信じ 自殺に見せかけて もし殺人と疑われたとしても 血の繋がらない兄妹へと疑いが向くように 虎視眈々と 実行へと移そうとしていた …

よく生きる

俗世から離れて生きたい けれど浮世に美しいものもたくさんある それを楽しみたいとも思う 私欲深いの 欲に塗れて聖人になど成れはしないのにね だからね 私の愛する人が浮世との架け橋 あの人の愛するものはどれも尊い それを少しばかり分けてほしいの 私は…

己れ

人に出会えば出会うほど 自分の異常性に気づいていく 自分のあたりまえは 他人のあたりまえではない 驚きはまだまだある すべてを知ることなどできない 人に会うたび思い知る 面白いね 人生道半ば この道は己れを知る道 道のりは長い どこまで到達できるのか…

乖離

何もかもわかっている これまで生きてきたことで だいたいの答えはわかっている 聞き飽きているんだ 誰に聞かずとも 愚痴らずとも そう 悩んだとしても 最善の策はすぐにわかる でもね 頭ではわかっているのに そう上手くはいかないもの 心はそれに従えない…

水面

ひたすら揺らぐ海面 遠く遠く離れたなら 人の目にはただの直線 そうとしか捉えられない人の不完全さ それでこそ雄大な海 そういう概念なのだろう 人には到底理解などできない

金木犀

この季節になるとふと気づけばあなたが馨ってくる その甘い馨りに誰もが誘われ あなたは何処かと求めてしまう 慎ましいあなたに一目見えんと求め彷徨う それなのに いざあなたと一度見えて仕舞えば その馨りはいつの間にか消え失せる あなたをもっと感じたか…

同棲

いつもそこには 噎せ返るほどのあなたの匂い お風呂入ってないと余計に 眩暈がしそうなくらい 嗚呼 好きよ大好き ここで平静保つには骨が折れる それでも生活しなくちゃね あなたを困らせてしまうでしょう 蕩けきっては生命維持も儘ならない 出すだけでなく…

全部あげる

私は許容する 様々な価値観 様々な考え方 様々な生き方を 私は想像する それらが成り立つまでにあった 事実を 挫折を 情熱を だから私は許容する 私は知っている 私は知らない 私は受け入れる 様々な私を それ故に 今 立ち止まっている 何もできない それを…

贅沢

疲れた 余りにも疲れていると 生活する為の力も残されていない 明日を生き抜く為には 早く寝なくちゃね わかっているのに 眠れない 睡眠する為の行動に移れない 無駄な事ばかりして時間をただ消費する あれ? 無駄な時間ってとても贅沢なのではなかったかし…

音楽

あなたは美しい 命が光ってる あなたの楽しむ瞬間に 同じ空間にいられたことを嬉しく思う 遠巻きになんだかそんなことを考えいた 同じ空間にいるのに 画面の向こうにいるような あなたはガラス越しの水槽の中 確かに体で感じていたよ なのにね どうしてかな …

大人の傲慢

いい子悪い子 泣く泣かぬ なぜ泣くか 怖いのか そう生まれ落ちた ならば叱ってはならぬ それで良し悪し決めてはならぬ つくった命は守りぬけ それが親というものだろう

手段

得手不得手 誰にでもある なら得手を伸ばせ 不得手は頑張るな 得意な人間に任せておけ 無用な挫折はいらない 逃げこそ選択 選んだ道で尽くせばいい 無理はするな 辿り着く場所が同じだったとしても やり方は千差万別 どの道が偉いなどない やりきればこそよ…

命の価値

天性の才能 やはりそれはある 確かにあるが 決して特別なものではない みんなが持っている 持っているのに 持っているけど それを本当に見出せて 己の道として生きられるのはひと握り あいつはすごい 同じ人間とは思えない みんなそうやって言う 違うのに 羨…

使い方

できる人 もとからなんでもできる訳ではない できる人というのは自分のことを理解している 自分のやり方をわかっている それ故に新しいことを前にしたとき 何かを教わったとき それを如何に自分のやり方に変換することができるか それに尽力する ただ言われ…

持ち合わせ

優劣 そんなものはない それなのに人は順位をつけたがる 良いか悪いかを決めつけて 自分が正しいと思い込む そうでなければ意欲を保てないから そうでなければ意思を保てないから なんて安易なのだろう そうじゃないだろう 人の性質能力持って生まれたものが…

生み出す人

弛まぬ努力と洗練された精神より生み出されたもの それは美しい しかし人々が集い愛し数々の営みが行われるとそれはさらに昇華する 孤高とは違う 寄り添い世界と調和する 受け入れられる どれほど素晴らしいものであったとしても 愛されなければ意味をなさな…

生み出す

この世の生み出された素晴らしいものは 弛まぬ努力と神がかり的な偶然により作られる そのどちらも欠けてはならない 互いに互いを引き寄せ合い 努力により偶然を勝ち取り 偶然から努力がはじまる そうして素晴らしいものはできあがる 何を羨むことがあるのだ…

創造

古代の円盤 現代の人々には理解不能である でも一部の人たちはそれに魅了され どうにか理解しようと技術と知識と閃きを駆使する 素晴らしい 古代の人々は他愛もなく記したそれがそんなことになるとは思っていなかったろう そうであるならば 今の人に伝える必…

人類補完

みんな解けて水になる 境界がなくなる お互いの欠落と欠落を打ち消しあって みんなひとつになって完全になる 補完される そういうことなんだね やっとわかった気がするよ やはり孤独は恐ろしい ある意味理解するに至った それはひとつの真理だもの 人は皆喪…

生きる

尊い命を犠牲にして 手に入れた孤独と自由 甘んじてそれを享受している 来る日も来る日も 口が渇いて仕方がない どれだけ水を飲んでも潤すことなどできない 二度と癒えないこの渇き それでも私は自由だ 孤独を理由に楽に生きようとしている なんて罪深い ふ…

意欲

お互い心地よく 牛も心地よく 少しだけでいい 少しずつでいい 手の届く範囲で そういう仕事がしたい

責務

日本の畜産はおかしい 時代錯誤 こんなのいつまで続けるつもりだ この先続けられるわけがない 日本の畜産を守るためじゃない 生きものと共に生きるため 牛は身を削りながら生きている お産後は病気になる 脚も悪くなる そうなるような飼い方をしている 身を…