漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

ラブレター

ご教授

確かにあなたの言う通りです 私は甘えていました 顔色やタイミングなど言い訳 一緒に決めたかったと言いつつ 決断は人任せ ただ何も考えず待ってただけ 一体いつから思っていたのでしょうか よく見ていますね私のことを 私の悪いところをずばりと言い当てま…

日常

顔がかわる 私がかわる そうね 私はどんどんかわってる あの日の私はもういない 近づくこともあるけれど 同じ私はいない でも それはあなたにはわからない けれど あなたも少しずつかわっている それだけはわかる それでいい それが日常

夢を見た あなたの夢を 夢にみるのは初めてだった あんなに焦がれていたのに 初めてだった ふとあなたの声がして 振り返ったらあなたがいた いつもの通り 白い身体をしならせて 私に呼びかける 思わず撫でる 滑らかな毛並み いつもの通り どうしてと なぜい…

みんな私のこと好きすぎる

みんな私のこと好きすぎるでしょ こっちへ来てくれ あっちへ来てくれ そんなに言われたって無理よ 私はひとりしかいないの すべてできるわけないじゃない 私はやりたいことをやりたいだけなのに お願い放っておいて そんな顔しないで それは私にとって脅迫と…

解ける

言葉は恐ろしい 口に出した途端 それが事実になる 過去になる 言わなければわからない 過去にはならずに更新されていく 私しか知らない今のこと 神様しか知らないこと だから言わない 変わりつづけることは嘘じゃない 本当にしないで内に宿している この思い…

最高峰

ビルケナウ 複製画の前に惑わされ 黒い鏡の前に立ちすくみ 本物の前に喉が詰まる そして塗り潰された写真の前に涙する どうして? どうしてこんな絵が描けるの 暖かな雪解けが壊される 叫び声が聴こえる 血が流れる そうして混沌の中へと誘われる 怒りでもな…

よく生きる

俗世から離れて生きたい けれど浮世に美しいものもたくさんある それを楽しみたいとも思う 私欲深いの 欲に塗れて聖人になど成れはしないのにね だからね 私の愛する人が浮世との架け橋 あの人の愛するものはどれも尊い それを少しばかり分けてほしいの 私は…

同棲

いつもそこには 噎せ返るほどのあなたの匂い お風呂入ってないと余計に 眩暈がしそうなくらい 嗚呼 好きよ大好き ここで平静保つには骨が折れる それでも生活しなくちゃね あなたを困らせてしまうでしょう 蕩けきっては生命維持も儘ならない 出すだけでなく…

贅沢

疲れた 余りにも疲れていると 生活する為の力も残されていない 明日を生き抜く為には 早く寝なくちゃね わかっているのに 眠れない 睡眠する為の行動に移れない 無駄な事ばかりして時間をただ消費する あれ? 無駄な時間ってとても贅沢なのではなかったかし…

音楽

あなたは美しい 命が光ってる あなたの楽しむ瞬間に 同じ空間にいられたことを嬉しく思う 遠巻きになんだかそんなことを考えいた 同じ空間にいるのに 画面の向こうにいるような あなたはガラス越しの水槽の中 確かに体で感じていたよ なのにね どうしてかな …

生きた証

私はただ生きる この世に何か残したいとは思わない ただ生きて死ぬ それでいい この世に生きた証を残すとしたら あなたにありったけの愛を 私のありあまるエネルギーを あなたに捧ぐわ あなたが溺れてしまうくらい 私のすべてをあげる 私の人生だもの好きに…

奇跡なんてない

生きもので溢れたこの世界に 私とあなたは出会えた きっとそれぞれの出会いなどただの生きものたちの無数の交差地点でしかないのだろう ただその混沌で出会えたならば やはりこれは奇跡と呼べるのだろうか 確かに誰かはそれを奇跡という でもそれは少し違う…

あなたはいなくなった 私を恨んでいるでしょうか そりゃそうよ あんな仕打ち みんなは知らない 私は自分のことばかりで 碌に構ってあげなかった あんなに求めていたのに あんなに訴えていたのに 無視してた ちゃんと応えていてあげたら なんて いくら振り払…

秋の空

あなたが浮気したら? 状況によると思うけれど そうね 私は とりあえずそれが別れる理由にはならないんじゃないかしら そんなことで私が離れると思わないで それから説明を要求する それが私たちの いいえ あなたの人生に必要なことだったか 意味のあるもの…

女のいない男

私とあなた どっちが先にこの世からいなくなるのかな 「女のいない男たち」 あれはとてもいい本だった 男というものを少し分かった気がする あなたは読んだかしら あの人の描く女性たちはとても魅力的 あの人を敬愛するあなたは私の中に少しでもそんな魅力を…

ひとつに

あなたと抱き合って ふと 何も感じなかった 触れ合ってるのに 何も触ってない感じ 欠けたものが埋められて 漸く正しい形に成ったような そんな気分 心地がいい 心が温まるとか 満たされるとかじゃなくて あるべき姿に成ったんだ 私たちはふたりでひとつ お互…

私は人に恵まれてきた。 両親、祖父母、兄弟、小学校、中学校、高校、大学の友人、先輩、後輩、先生、会社の同僚、先輩たち。 私の良いところを見つけて、褒めて、たくさん伸ばしてくれた。 皆さんのおかげで無駄な辛い思いをせず、乗り越えてこられた。 今…

世界は覆る

さようなら あなたのいない私の完璧な世界 あれは本当に完璧だった 何でもできた 何も恐れるものなどなかった 素晴らしくて 楽しくて それ故に いつ終わってもよかった 心のどこかで終わりを望んでいた だって失うものなど何もない 完璧な世界 詰まらない世…

テレビの中のあなた

歌う 生き様を魅せる あなたが好き なんて美しいのでしょう 尊い命よ 輝きを魅せて 救ってほしいとは言わない 少しだけ力を貸して ちゃんと生きるから

遺書

私たちは生きものとして生まれ落ちたそのときから孤独である それはいくら寄り添ったとて逃れられるものでもなく生涯付き纏うものである 救いはない それはひとつの事実である ただそれを知ったときどうするかは当人次第 それが私の思想です これがひとつの…