漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

ひとつに

 

あなたと抱き合って

ふと

何も感じなかった

触れ合ってるのに

何も触ってない感じ

欠けたものが埋められて

漸く正しい形に成ったような

そんな気分

心地がいい

心が温まるとか

満たされるとかじゃなくて

あるべき姿に成ったんだ

私たちはふたりでひとつ

お互い欠けているものを求めるように

必然的に出会ったんだ

これを運命というのかな

みんなきっと探しているんでしょ

自分の傍を

それを見つけたとして

完全に補完されるわけではないのでしょう

補完しようとしたらみんな溶けちゃうもんね

だから傍にも余白はある

無数のピースの中から

自分の求めるところを埋めるだけ

きっとはまる人は他にもいる

でも私のこの窪みにはあなたしかいない

あなたしかはまらない

他にも欠けているところはあるけれど

それでいい

完璧なんて望んじゃいない

余白が好きなの

あなたをこれほど愛しているけれど

あの人もいいかも、なんて

偶にはいいでしょ

それでも私たちはふたりでひとつなの