漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

最高峰

ビルケナウ 複製画の前に惑わされ 黒い鏡の前に立ちすくみ 本物の前に喉が詰まる そして塗り潰された写真の前に涙する どうして? どうしてこんな絵が描けるの 暖かな雪解けが壊される 叫び声が聴こえる 血が流れる そうして混沌の中へと誘われる 怒りでもな…

私は人を殺そうとしていた 名前もわからない人を 己れの人生を害する者だと信じ 存在ごと消さねば我が道をいけないと そう信じ 自殺に見せかけて もし殺人と疑われたとしても 血の繋がらない兄妹へと疑いが向くように 虎視眈々と 実行へと移そうとしていた …

よく生きる

俗世から離れて生きたい けれど浮世に美しいものもたくさんある それを楽しみたいとも思う 私欲深いの 欲に塗れて聖人になど成れはしないのにね だからね 私の愛する人が浮世との架け橋 あの人の愛するものはどれも尊い それを少しばかり分けてほしいの 私は…

己れ

人に出会えば出会うほど 自分の異常性に気づいていく 自分のあたりまえは 他人のあたりまえではない 驚きはまだまだある すべてを知ることなどできない 人に会うたび思い知る 面白いね 人生道半ば この道は己れを知る道 道のりは長い どこまで到達できるのか…