漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

これからのあなたへ

 

別れなくてよかった

漠然とふと思う

シングルマザーのテレビ番組を観ながら

きっとどんな選択をしたって

どんな道を選んだって

不幸にはならないし幸せになれる

自分で幸せになるんだから

それもわかる

でも私は別れなくてよかった

その選択のおかげで

あなたがいる

今、私のお腹の中に

あの人似て少しシャイなのかな

良く動いたり

急に大人しくなったり

たまたまかな?

でも確かにあなたがいる

結婚式のときとはまた違う気持ち

あのときはただただ幸せだった

その前のことなんか忘れて幸せを存分に楽しんでいた

今はあのとき選んだ道は間違ってなかったと

これでよかったんだと嬉しくなる気持ち

あの人にお腹に触れてもらったからかな

温かい手で

ちょっと恥ずかしそうに

嬉しかったんだな

すごく時差があるけど

嬉しい

もっと触ってほしいね

もっと触ってもらおうね

私ももっと触ってもっと話すね

恥ずかしくならないくらい

あともう少しだもんね

あなたに会えるまで

きっとあっという間だよ

 

どんな子なのかな

どんなあなたでも私は受け止めてあげたい

あなたを必ず守るよ

私のことなんか気にしないで自由に生きられるように

私がそうしてもらったように

あなたにもそうして生きてほしい

もうあなたの人生は始まってるんだものね

楽しいこともたくさんあるけど

苦しいことも悲しいこともある

それはもう始まってる

私ができることは限られるけれど

それでもできるだけ守ってあげたい

どんなことがあっても大丈夫だって

伝えられるだろうか

悲しみも苦しみもあってもいいって

伝えられるのかな

言わなくてもいいのかな

わからないけど

でも大丈夫だよ

私がずっとついてるからね

もちろんあの人も

楽しくね

 

 

 

 

内と外

 

自分の軸は

自分ひとりでは分からない

他人がいることで成立する

いろんな人に出会い

ここが悪い

ここが良い

そうやって認識して

そうやって修正していく

会う人が少なければ少ないほど

境界はぼやけ見失う

出会う人が狭まれば狭まるほど

偏って固まってしまう

自分に捉われる

自分がわからなくなる

固まった人生

やはり

人に会うことは大事なこと

刺激を受けて輝く

知らない自分を見つける

知っている自分がわかる

人と会う

人と話したい

もちろんあなたとも話したいけれど

他の人と話した方が

もっとあなたとの会話が楽しくなる

ずっと家にいてはだめ

子育ても大事だけれど

自分の時間をちゃんと持つこと

でなければきっと壊れてしまう

だからお願い許して

私は外にいきたい

 

 

 

 

 

私は男と女の間

きっと男に生まれたらもっと楽に人生を生きられたかもしれない

でも私は生物学的にも精神的にも女

この世界では

男と女はまだ対等ではない

きっとこれからも

だから苦しい

私は女の愛情や共感があるけれど

男のロマンや夢を持っている

それを追いかけたいのに

女の性が邪魔をする

それでも女の私も讃えたい

矛盾を携えたまま生きている

だから苦しいんでしょう

自らその道を選んでいる

ひとりで生きたらどんなに楽かと

男の私に従えたらどんなに楽かと

何度も思うけれど

私はあなたに出会ってしまった

女の喜びを知ってしまった

それでも男の私を諦めきれない

女になりきれない私

あなたとの生活もやっぱり対等ではなかった

悔しくて堪らない

生産を請け負わされた身では

追いかけきれない

いいえきっとやればできるの

ただ恐れているだけなのもわかっている

恐れを知る前に駆け抜けてしまいたかった

足踏みは悪手でした

私を失いかけて

あの子を失って

あなたも失いかけて

私は走るのが怖くて堪らない

何も見えなくなるから

怪獣になってしまうから

傍の声も聴こえない

そんなのはだめ

それを求めるなら

ひとりで生きてひとりで死ぬ

そうでしょう

男の私を抑えた最近は

あなたは優しい

それは幸せ

それは事実

もう少しの辛抱よ

 

 

 

神様

 

人が生まれた意味を考えていた

少し前の私にはわからなかった

生きものはみな平等

人も同じ

神様に意志なんてない

ただそこに存在するだけ

今もそれは変わってない

意味を称えるだけ無駄だと思う

その思想が故の娯楽

ただ生きることを楽しめばいい

そう

それはひとつの心理

でももしそこに意味があったとして

悪を善にすること

歴史を継なぐこと

もしそれが人の生まれた意味ならば

愛があることも少し解るかもしれない

愛がなければ

他者に託すことはできないでしょう

自らの子でさえ他者ですから

単なる種の繁栄のため

そう言い換えてしまうこともできるけれど

人の場合それだけじゃない

如何により良く生きるか

後世の人がより良く繁栄するようにと

そんな願いが知識と技術に宿る

継承されたら歴史になる

もっと良くなるようにと

もっと善くなるようにと

悪を善にしていく

その過程

今はまだその途中

歴史の一部

まだまだ先は長そうだ

行ったり来たり

ぐるぐるずっと同じところを廻ってる

でも少しだけ前に進んだんじゃない?

精神の多様化

それがもっと進んだとき

きっと淘汰がある

悪の淘汰

あとどれだけの年月が必要かはわからないけれど

それはたぶん途方もない

地球は保つでしょうか

それとも地球の崩壊とともに淘汰が起こるのではないでしょうか

わからないけれど

すべての人が善を実行するとき

真の平和が訪れるとき

それはやっぱり破滅のとき

だってそれは神の領域ですから

死も同然

何も変わらない

混沌に戻るだけ

神様はわかっているのでしょうか

わかっていてその様を見ているのでしょうか

まさかすでに手に負えないとか言わないですよね

意志はないとしてもそれはあんまりです

宇宙は膨張している

精神は繋がっている

全は一

一は全

まだ答えは見つからない

けれどふと

神様

あなたは気づいて欲しかったのでしょうか

あなたの存在に

自ら創った世界の存在たちに

どうしても気づいて欲しかったのですか

だから人を創ったのですか

そうですよね

きっと知性がなければそれは叶わない

いやそれも少し違う

本能や精神そのものの方があなたを感じられるはず

だから知性は罪なのですか

だから私たちはあなたを見失って争ってばかりいるのですか

勝手にあなたを作り上げて正義を掲げて

悪を突き進み苦しみに苛まれる

それが私たちの原罪

いや違うそうじゃない

そうしたら人と獣を分けてしまう

違う

人は特別じゃない

そうやっぱり意志はない

神様

私はあなたを信じているけれど

何も語りかけないで

ただそこに存在していて

それでいい

それ以外いらない

それが私の神様

これも傲慢でしょうか

でもこの世は美しいです

生きものが作り出したものも

人が作り出したものも

すべて美しい

それでいい

それが善で

それが神様で

それが在れば

それでいい

気づかないうちにあなたに触れる

それがちょうどいい

神様

私はあなたを信じています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

責任

 

文句ばっかりじゃない

今までが言わな過ぎただけ

あなたの言う通りにし過ぎただけ

それで問題なければそれでいいけど

そうじゃないの

あなたが放棄したものが

すべて私の負担になるの

だから自嘲しろって言ってるの

身の程を知りなさい

自分の手に収まるものを求めてください

そう言いたいだけ

責任を持って欲してください

よく考えて

あなたはいつもいいところしか見てない

夢ばっかり

それは別にいいの

悪いことじゃない

叶えてあげたいとも思う

でもね

現実が夢と少しでも違えば

自分の都合のいいようにならなければ

あなたはすぐ不満に思う

そして放棄して興味を失う

子ども

ただの子ども

そのくせ人が代わって違うことをしようとすると怒るの

自分でやらないくせに

口だけ出す

最低何様なのよ

だからこれからは言う

文句だと言われようと

私にも関係あることだから

責任を持って言う

 

 

 

 

面倒くさい

 

私の願いは

私だけのものではなかった

ありふれたものだった

愛する人に好きなものを追いかけることを

応援してほしいと思うことは

傍にいてほしいという想いを押し殺してでも

背中を押してほしいと願うことは

我儘かもしれない

我儘でしょうね

だって相手に愛してくれと乞うているようなものでしょう

恋じゃなくて愛してくれと

愛とは

親が子を想う気持ちに近いのかもしれない

それを対等な相手にも同じように想うこと

私はもしかしたら愛せていたのかな

だから同じことをあなたにも望んでしまった

見返りを

そうしたら愛じゃなくなった

ただの好きで自己愛になった

難しすぎる

自分の確固たる人生を

信念を貫けているときにしか

本当の愛を捧げないのかもしれない

だから疑ったらすぐに揺らいでしまう

仕事で満たされなければ惑ってしまう

そうしたら今は困難にもほどがある

信念の向かうところを見失っているのだもの

あなたの最低な二択を

言い返すこともできず

無理矢理選んで自分の道だと言い聞かせた

それしかできなかった

だから今も苦しい

悔しくて堪らない

今は辛抱

そう思うしかない

だってもう少し先には動くと決まっているから

その先に何か見つけられると信じて

わからないけれど

そう思うしかない

もしあのときあなたが

自分のことも私のことも諦める前に

仕事をやめてほしいと言ってくれていたなら

どうしていたでしょうか

どう思ったでしょうか

回りくど過ぎて私は気がつけませんでした

私が悪いことも十分わかっている

それでもあなたの世界と私の世界

今もまだ対等ではない

趣味がないからと

そんな想像力が欠如したひとことで

片づけられてしまう

私の世界

やはり誰かに聞いてほしい

人を選んでいる場合でもないとわかっているけれど

一蹴されたらやはり悲しい

私にもいつか来るでしょうか

愛する人が私の世界を愛してくれるときが

心から抱き合えるときが

心から尊重し合えるときが

苦しくて悲しくて堪らない

やっぱり愛は面倒くさい

ひとりなら簡単なのに

何も考えず信念を貫けるのに

ひたすら孤独を享受することもできるのに

いいえそれは少し違う

愛を知らなければそれはできない

そうでしょう

ずっと一緒はしんどいかも

その通りです

たまにでいいみたい

焦がれるくらいがちょうどいい

不安になるほど素直に求められる

でも傍にいてほしい

やっぱり愛は面倒くさい