この季節になるとふと気づけばあなたが馨ってくる
その甘い馨りに誰もが誘われ
あなたは何処かと求めてしまう
慎ましいあなたに一目見えんと求め彷徨う
それなのに
いざあなたと一度見えて仕舞えば
その馨りはいつの間にか消え失せる
あなたをもっと感じたかったのに
慎ましくも凛と立つあなた
こんなに近いのにあなたは何処か遠くへ行ってしまう
求めれば求めるほど
この嗅覚は惑わされ
あなたを感じることができなくなる
ああなんと人の鈍さの恨めしいことか
そう、でも
それがあなたの生きかたなのでしょ
遠くからみんなを優しく包んでくれる
姿を見せず馨りを魅せて作用する
悲しいね
あなたの橙色の小さき花を愛でる人はいるのでしょうか
慎ましく愛らしい花を
あなたは美しい