あなたの歌は美しい
世界を愛しているが故
喜びも悲しみもすべて受け入れ
儚くも気高く立ち尽くす
あなたの歌声は言葉は
私の傷を優しく塩水に浸している
私はその声を聴きながら
静かに眼を閉じる
そして身体中に沁みている痛みを
余すことなく感じる
何ひとつ溢さぬように
そしてゆっくり眼を開けて
美しくも残酷な世界を
ただただ脳裏に焼きつける
私の中にある痛みと
外側から入る痛み
どちらも等しく受け入れて
ふとしたときに涙として排出する
立ち尽くしたまま
あなたの声を聴く
それから眠りに落ちて
また明日は歩き出す
あなたの歌を口遊みながら
おやすみなさい