漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

屈曲

 

 

この世界のすべてを

言葉で表すことなどできない

そうだろう

人間などこの地球に生息する一生物にすぎない

それが生み出したほんの小道具ですべて言い表そうなどと驕りにも程がある

現にほら

ちゃんと見て

あなただって今

まさに言葉が出てこないじゃない

この漂う精神を

ぴたりと言い当てるような言葉なんてないの

借りものをあてがったって仕方がない

だったらちゃんと

あなた自身の精神で感じとって

それが本当のことだから

もし屈折してしまうならば

それはあなたのレンズのせい

もしくは私の仕業

私の言葉に惑わされた

あなたの負け

何よ怒らないで

不満そうね

そんなの八つ当たり

あなた自身のせいじゃない

私の言葉なんてそもそも何も含めちゃいないの

技巧なんて程遠い代物よ

それをあなたは

嗚呼嘆かわしい