漂う手紙

生活と思想。遺書とラブレター。時に真似事。

支配者

 

 

嫌いなすべてを排除する

そして清く正しい世界を

そんなことを言う人がいる

彼らはきっと酷く傷つけられてきた

深く深く愛するものがあるから

それが傷つけられることに耐えられない

だから傷つけるものを排除する

己れが心地好く生きるために

少しはわかるよ

この世界は醜い

美しく尊いものは確かにあるが

多くは寄り添う気もなくただ水を差す

悲しいね

でもそれが事実だ

そんな世界無くなって仕舞えばいいと

あんな奴ら居なくなって仕舞えばいいと

私でさえ何度も思った

でも違うんだ

それらがあってこその世界だろう

対比などと綺麗事を言う気はないが

世界はそれを受け入れてしまっている

少しずつ変わってはいるのかもしれない

でも完全はないだろう

それを成す前に人類は滅亡するさ

そもそもすべてがそれほど成熟した世界など詰まらないだろう

残るは終末

欠けているからこそ美しいんじゃないか

だから私はこの世界で生きる

醜くも美しい世界で

心のままに

私は見極める